作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
原著論文
回復期リハビリテーション病棟認知症併存患者における行動・心理症状の実態と変化
佐藤 英人竹田 徳則
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2021 年 40 巻 5 号 p. 598-607

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抄録
回復期リハビリテーション病棟の脳血管疾患183名・運動器疾患82名の認知症患者を対象にBPSDの調査を行った.評価にはNPI-NHを用い,総合計点ならびに下位項目得点を用いて有症率・重症度を入院時・1ヵ月後・退院時点で把握し,経過を確認した.結果,入院時に脳血管疾患44%・運動器疾患29%の割合でBPSDを認め,興奮・易刺激性・夜間行動の有症率が高かった.脳血管疾患は全体の有症率と重症度は有意に改善したが,下位項目別で退院に向け一部悪化を認め,運動器疾患では概ね有意な変化を認めなかった.回復期リハビリテーション病棟では,2疾患の経過の差異を念頭に置いた,BPSDへの作業療法立案の必要性が示唆された.
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© 2021 一般社団法人日本作業療法士協会
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