抄録
今回,段階的曝露療法を用いたプログラムの有効性を探索する目的で,上肢の複合性局所疼痛症候群(CRPS)TypeⅠ 8例を対象に実践を行った.CRPS状態(CRPSスコア),痛みの認知(PCS),心理(HADS),ADL(PDAS),上肢機能(HAND 20,STEF,握力,側副つまみ)の評価結果やプログラム内容を実施前後で調査した.結果,実施前後でCRPS状態,ADL,上肢機能に有意な改善を認めた.以上のことから,上肢のCRPS TypeⅠに対する認知行動学的プログラムを含む作業療法プログラムの有効性が示唆された.今後は本実践の効果の検証が必要である.