抄録
本研究の目的は,訪問リハビリテーションに従事し,対象者の活動・参加レベルの目標達成を支援している作業療法士が,臨床プロセスにおいてどのような経験や臨床判断を行っているのかを明らかにすることである.4名の作業療法士にインタビューを実施し,複線径路等至性アプローチ(TEA)にて分析を行ったところ,4名は介入初期において,①クライエントが作業の視点で生活を顧みることができるよう働きかけを行っていた.また目標設定の際は,②面接評価の時間を設け,クライエントと協働的に課題を焦点化するプロセスを重視しており,目標設定後は,訪問リハの利点・欠点を踏まえ,③柔軟に介入内容の選択を行っていた.