2023 年 42 巻 1 号 p. 6-10
作業療法士にとって,持続可能性あるいは持続可能な開発目標(SDGs)を考えるとき,その達成には作業療法の果たす役割がみえてくる.作業療法士がSDGs3の「すべての人に健康と福祉を」において大きな役割をもっていることは言うまでもない.作業療法は人々の健康や幸福に関わることを目的に掲げている協会定義にもあるように,日々の生活を大切に,個人の幸せを追求する視点から,対象とする人や取り巻く環境に働きかけている.SDGsに関わることは特別なことでないことを私たち自身が認識すること,そして,そのことを社会に説明できる方法をもつことの必要性を論じ,私たち作業療法士が,自分自身の生活をも大切に考えることの期待を述べた.