2024 年 43 巻 1 号 p. 97-105
体幹を前方から支持する補助具(以下,体幹前方サポート)の注意機能への有効性を明確化し,Activities of Daily Living(以下,ADL)上での影響について検討した.脳血管疾患患者に対し,体幹前方サポートあり・なし座位でクロスオーバー研究に沿って注意機能の検査および主観点数,荷重中心位置を測定した.結果,体幹前方サポートあり座位は,検査成績および主観点数,荷重中心位置に有意差を認めた.体幹前方サポートは注意機能に対し有効で,ADL上では食事動作の一助となる可能性が示唆された.今後の展望として,対象やさまざまな作業場面を想定した,体幹前方サポートの使用や有用性を検討したい.