重度上肢麻痺患者に対するGraded Repetitive Arm Supplementary Program(GRASP)と電気刺激の併用効果をABAシングルケースデザインにて検討した.方法はA期で通常作業療法,B期でGRASPに電気刺激を併用し,1日60分実施した.各期を4週間に設定した.電気刺激は,麻痺がより重度であった上肢近位部へ実施した.結果,B期で上肢機能と生活内使用行動は臨床的に意味のある最小変化量(MCID)を超える変化を示し,生活内における麻痺手の補助的使用が可能となった.重度上肢麻痺に対するGRASPと電気刺激の併用は,上肢機能と生活内使用を改善する可能性が示唆された.