2024 年 43 巻 3 号 p. 369-376
本研究の目的は,終末期がん患者の作業療法(OT)にて,他職種と協業する作業療法士(OTR)のクリニカルリーズニングを明らかにすることであった.方法は,当該領域のOTRを対象に半構造化面接を行った.作成した遂語録についてKH coderを用い,共起ネットワーク等の分析を行った.結果,看護師や他職種に理学療法とOTの違いを伝え,分からないことは聞く,医師にリハビリテーション場面をイメージしてもらい,OTの処方を促す,他職種とカンファレンスや病棟で直接会って,話す,ADL状況やゴールを共有する,患者の個性に応じた役割を果たす等が抽出された.上記はOTRの行動指針となり,他職種とスムーズな連携につながると考える.