本研究では精神科デイケアに通所する統合失調症患者のQOLに影響を及ぼす心理的・環境的要因を検討した.横断研究を行い55名の対象者から基本的属性,家族同居の有無,WHOQOL26, CSQ-8J,精神障害者居場所感尺度を収集した.次にWHOQOL26と有意に相関する項目及び家族同居を独立変数としWHOQOL26を従属変数として重回帰分析をした.その結果,WHOQOL26合計点にはCSQ-8Jによるケアの満足度と家族同居が影響する要因であり,ケアの満足度が家族との同居よりも影響することが明らかになった.ここから統合失調症患者のQOL向上にはケアの満足度と家族同居の有無が重要点と考えられた.