2024 年 43 巻 5 号 p. 607-613
作業療法士が急性期脳血管障害者に対してどのように作業を用いているのか作業療法士の語りから明らかにすることを目的に質的記述的方法を用いて研究を行った.結果,【患者を全人的存在として認識する】【患者が作業療法プログラムや介助を受けやすくなる】【作業療法士が患者に変化を起こす】【患者の未来像を描く】の4つのカテゴリが明らかになった.急性期の作業療法士は,疾病治療中心の環境の中で見えにくくなっている患者の視点を持ち,患者を全人的存在として捉えていた.また,具体的な作業を経験することで作業療法士や患者に今後の見通しを与える形で用いられていた.