作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
実践報告
セルフモニタリングの視点を取り入れた作業中心の個別プログラムを通して新たな趣味を獲得し精神的健康の増進に寄与した1例
萬家 夏生徳光 謙一永井 美咲高木 雅之今元 佑輔
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2025 年 44 巻 5 号 p. 545-551

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抄録

慢性的なうつ症状のために希死念慮が生じ,鎮静薬による急性精神・行動障害を呈したクライエント(以下,CL)を担当した.カナダ作業遂行測定(COPM)にて挙がった「物作り」という作業遂行を活動日記を用いて振り返りつつ,元気回復行動プラン(以下,WRAP)の作成にも取り組んだ.その結果,革細工やクロスステッチという新たな趣味を獲得し,獲得した作業をWRAPに反映させることでCLがより主体的にリカバリーを目指すようになった.活動日記やWRAPの視点を取り入れた作業中心の介入は,CLにとって意味のある作業が精神的健康にもたらす効果を高め,生活を豊かにしていく上での一助となることが示唆された.

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© 2025 一般社団法人日本作業療法士協会

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