抄録
VRChat 等3DCGのバーチャル空間(エンバイロメントデザイン)の制作では,オブジェクトに使用感を施すために,汚れや傷をテクスチャに加えたり,オブジェクトを不規則に配置したりすることで空間にリアリティと魅力を演出する.本研究では,著者自身の創作活動を対象に,魅力的なバーチャル空間の制作を目指し著者が行っている,いわば“散らかすデザイン”のためのデザイン原則を見出すことを目的とする.著者のバーチャル空間の創作活動における思考や行為の記録を分析し,“散らかすデザイン”を意識している要素を抽出した結果,その要素にはオブジェクトやテクスチャの形状や配置の決定判断において,疎密のコントラストや有機的な形状,空間における認知負荷,視線のやり場,ストーリー性の想起といった意識が関係していることが明らかになった.