抄録
近年、景観系条例が増加しているが、世田谷区では、平成 11年に世田谷区風景づくり条例を制定し、地域風景資産の選定を条例に位置づけた。本研究は、住民と行政の協働の場である世田谷風景づくりフォーラムを中心に進められた、地域風景資産の選定プロセスに関するしくみづくりと、選定プロセスの実現に関する2つの協働による取り組みを紹介し、その効果と課題を考察した。今後の課題として、しくみづくりを終えた風景づくりフォーラムは、地域ごとに動き出した、風景づくり活動の情報や課題の共有、活動を進める主体間の交流など、新たな協働の場として、風景づくりのプラットホームへと大きく転換していく必要があることを指摘した。