抄録
過疎地域への新規転入者は、各々が明確な目的を持って転入した場合が多く、従来からの地元住民よりも冷静に地域の実態を把握していると考えられる。本論では、まず北海道における地域圏の実態を把握し、その枠組みの中で過疎自治体への転入者の動向を概観する。更に、それらの多様な転入経緯の把握によって、過疎自治体における生活や就業の可能性を考察した。その結果、8つの転入タイプの存在が確認された。例えば、転入地を就業の場として捉えているタイプの存在は、特に中核都市に近接する過疎自治体にとって、新たな転入者像になりえる可能性を持つと考えられる。