抄録
本研究では、車椅子使用者が、歩道上を目的地まで走行する場合において、複数ある移動経路の中で路面の凹凸が起因している走行負荷の最も少ない経路を最適経路と定義し、札幌市都心部において、最適経路探索システムの開発をおこなった。本研究は、まず、路面の凹凸を物理量として把握するために歩道の縦断プロファイルを測定する。次に歩道の縦断プロファイルデータから路面の平坦性(以下、累積負荷高さ)を算出し、累積負荷高さから路面の凹凸に起因する車椅子の走行負荷量(以下、車椅子走行負荷量)を求めた。本システムは、歩道を評価するパラメーターとして車椅子走行負荷量を用いた。最適経路の探索方法は、ダイクストラ法のロジックを用いて経路の最適化をおこなっており、 GISのマップ上において、任意の出発地と目的地を選択することで、その間の最適経路を提示することができた。