抄録
本研究は、地域社会と連携した小学校でのまちづくり学習の実践のあり方を探るために、公園計画を題材としたまちづくり学習のプログラムの立案とその実践を通して、PBL方式のまちづくり学習の有効性と諸課題を明らかにすることを目的としている。まちづくり学習の実践と評価を通じて、 1)実現へと繋がる学習題材の設定により、児童の意欲的な学習を促し、教育上大きな達成感や満足度を得ることができる、 2)校外のワークショップなどと連携させることで地域住民との間接的・直接的な対話が可能となり、住民の意見を聞くことの大切さへの理解が高まる、 3)学習内容としては、住民の意見を考慮した計画案の再検討や模型作りが特に有効である、 4)学習成果である図や模型をワークショップで活用することでスムーズなワークショップの運営が可能となる、などの有効性を検証できた。一方、課題としては、 1)短時間でも対応できる学習プログラム、 2)PBL方式となる学習題材の選定、 3)ワークショップの参加者の主体性に配慮したプログラムの検討などが、今後の検討・改善すべき課題として挙げられる。