都市計画論文集
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メガシティを対象とした人口密度と自動車利用の相互関係に関する再検討
都市面積と自動車利用距離に注目して
鈴木 崇正室町 泰徳
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ジャーナル オープンアクセス

2006 年 41.3 巻 p. 151-156

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抄録

本研究では、まず既存の研究レビューにより都市の人口密度と一人あたりの自動車利用との間の相互関係を再検討した上で、両者の相互関係が都市面積と自動車総利用距離との間の相互関係としても捉えられる点を議論した。次に、メガシティを対象としたパーソントリップ調査データを利用し、都市面積、自動車総利用距離それぞれについて影響を及ぼす要因を検討した。そして、都市面積と自動車総利用距離との間に強い相互関係が生じる原因を検討した。各都市の都市面積と自動車利用距離、およびこれらに影響を与えると考えられる自動車平均速度、自動車分担率との関係を詳細に分析した。結果、自動車平均速度および自動車分担率の上昇が都市面積と自動車利用距離の双方の拡大に寄与していることが明らかとなった。この傾向を抑制するためには、特に速度面で十分な競争力を有する公共交通機関の整備が重要であると考えられる。

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© 2006 公益社団法人 日本都市計画学会
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