都市計画論文集
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水道事業運営のあり方に関する研究
市町村合併に着目して
村中 司信村木 美貴
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2006 年 41.3 巻 p. 535-540

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抄録
近年、水道事業をはじめとした公益事業を取り巻く環境が変化し、新たな事業者の参入や料金設定の弾力化が進んでいる。また、近年の地方自治体における財政状況の悪化から、市町村の合併が推進されてきた。市町村合併に伴う水道事業統合が数多く検討されており、市町村合併を伴う水道事業の広域化は、経営の観点からその意義と有効性が厳しく問われることとなる。そこで本研究は、水道事業運営の実態と課題を、特に市町村合併に着目し明らかにすることを目的とする。具体的には、市町村合併前後の水道料金を比較した上で、料金が大幅に引き下げられた地域に着目し、料金の変動に伴う家計および事業運営への影響を算出することで、水道事業の市町村合併による影響を明らかにする。結論としては、市町村合併の際の料金調整においては公平性が保たれておらず、設定方法にもばらつきがある。また、自治体によっては、合併に伴う料金の引き下げによって損失の生じることが明らかとなった。
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© 2006 公益社団法人 日本都市計画学会
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