都市計画論文集
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スリランカにおける2004年インド洋津波被災地の復興状況調査報告
2005年11月時点でのゴール・マタラ・ハンバントタの事例
村尾 修仲里 英晃
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ジャーナル オープンアクセス

2006 年 41.3 巻 p. 683-688

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抄録

2004年12月26日09時58分頃(日本時間),スマトラ島西方沖で発生したMw9.0の地震は,この100年間に全世界で発生した地震の中で4番目に大きな巨大地震であった.その後各国で復興の施策が進められている.スリランカでは,1980年代から沿岸保全帯(CCZ:Coastal Conservation Zone)を設け,現在それが津波復興上のひとつの重要な要素となっている.津波災害の特徴のひとつとして,集落が全滅的に被害を受けることが挙げられる.そして,将来当該地で再び発生するかも知れない津波による被害を避けるために,内陸部への集団移転方策がとられることが少なくない.その中で発生する被災者にとっての課題を明らかにするためには津波被災地での継続的な復興調査が欠かせない.西南部6地区の被災・復興に関する空間的様相を記録することを目的として,筆者らは2005年11月現在の被災・復興状況の悉皆調査を実施した.本稿では悉皆調査に基づく各地の復興状況と,聞き取り調査に基づく復興に関する課題について報告する.

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© 2006 公益社団法人 日本都市計画学会
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