都市計画論文集
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ケープコッドコミッションを中心とした郡単位での地域成長管理についての考察
樋口 明彦高尾 忠志
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2006 年 41.3 巻 p. 731-736

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抄録
米国マサチューセッツ州バーンズテーブル郡において1990年から行われている郡レベルでの成長管理の取り組みに着目し、背景と意図及び特性について考察をおこなった。主な知見は以下のとおりである。・CCCは乱開発を防ぎ環境を保全する目的で地域の発意で設けられた郡レベルの成長管理組織である.CCCにはRPPの作成・DCPC制度の運用・DRI制度の運用を軸とした強力な権限が付与されている.・郡内の各町はRPPと整合したLCPを作成することができ,それによって郡内で整合の取れた成長管理を図っている.DCPCは町レベルの条例では不足する開発規制力を補完するものとして位置づけられている.DRIは一定の基準を超える具体の事業に対してCCCが評価をおこない必要であれば事業内容の修正を求めることが出来るものであり,制度の存在自体が開発抑止効果をもっている.・バーンズテーブル郡におけるCCCを中心とした成長管理は,圏域が社会・経済状況や住民意識の面でほぼ均一であることで可能となっている.・バーンズテーブル郡における成長管理は,CCCと各町が水平的に連携することによって柔軟に圏域内調整がおこなわれることによっているところが大きい.
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© 2006 公益社団法人 日本都市計画学会
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