抄録
我が国の都心部においては、依然として自動車交通量の増加による深刻な交通渋滞が問題となっている。特に、都心流入車両による駐車場入庫待ち行列や違法駐車、うろつき走行等の駐車行動により渋滞が発生するケースがしばしばみられる。そこで、本研究では,駐車行動をより適切に表現可能な行動モデルの構築を目指し、離散選択行動と連続量選択行動の相互依存関係を統一的に取り扱うことが可能な離散―連続モデルを、駐車時間と駐車場所の同時選択行動に適用した。特に、従来の一般的な推定方法におけるパラメータ推定値の不整合性を克服しつつ、選択肢別抽出データを用いてより適切にモデル構築を行うことを試みる。構築したモデルを用いて駐車料金施策の路上駐車削減効果を分析した結果、駐車場所および駐車時間選択行動を個別にモデル化する場合と比較して、詳細な分析を行うためには、離散―連続モデルに基づく駐車行動のモデル化が適切であることを示した。