2008 年 43.3 巻 p. 61-66
本研究では二時点の小地区短期間多地域データからの人口分析・人口予測の新しい方法を提示する。そこではコーホート変化率法をベースとし、因子分析の考え方も活用してモデルを構築した。小地区での人口予測での3つの問題について検討し、山形市の町丁目データへの適用結果を議論する。データ分析の結果、このモデルでは地区を仮想的な4種類の成分(典型地区)に分割するモデルとした。また、モデルには、2種類のパラメータがある。1つは町丁目間に共通なパラメータ、もう一種類は各町丁目に個々のパラメータである。最終的に、1995年と2000年の人口データを中心に分析し、その分析結果と、それによる2005年の人口予測結果などを考察する。