2009 年 44.3 巻 p. 817-822
本研究は、戦災都市指定を受けた師団設置8都市を考察対象として、戦災復興計画における旧軍用地の位置づけや、旧軍用地で実施された公園・緑地整備について、各都市の実態を考察したものである。旧軍用地を都市計画緑地として決定するという戦災復興院の方針を受け、7都市において、当初計画では19箇所の旧軍用地が公園として決定された。計画面積の大きさ、計画された箇所数、計画された各公園の規模、さらに整備された各公園の規模や位置から、戦災復興公園計画における旧軍用地の役割を明らかにしている。また、他用途への転用による計画変更、残存建物との関係、戦前計画との関係についても明らかにしている。