都市計画論文集
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バンクーバー市における容積移転制度の運用実態について
都心における歴史的建築物保全の視点から
堀 裕典小泉 秀樹大方 潤一郎
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2010 年 45.1 巻 p. 39-44

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抄録
本論文の目的は、都心における歴史的建築物保全の観点からバンクーバー市の容積移転制度の運用実態を明らかにすることである。日本の都心部において多くの歴史的建築物が取り壊され、地区の特性に合わない開発が行われている。日本では用途地域の緩さや多くの容積ボーナス制度の存在等の課題があり、効果的な容積移転制度のあり方が問われている。そこで本研究では、バンクーバー市で公開されている容積移転可能物件を対象として、容積移転制度運用実態の分析を行った。その結果、容積移転制度を効果的に運用するための要素として、厳しいゾーニング、裁量的な都市計画システム、容積緩和を可能とするリゾーニング制度が挙げられ、容積の経済価値換算に関してはバンクーバー市においても試行錯誤の段階であることが分かった。
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© 2010 公益社団法人 日本都市計画学会
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