抄録
本研究の目的は東京都周辺区部において未整備となっている「土地区画整理事業を施行すべき区域」の整備課題について検討することである。東京都周辺区部に対して行った調査票調査の結果によると、その52.1%が未整備となっている。その整備のために東京都はガイドラインを定めたが、適用は十分ではない。その背景には「土地区画整理事業を施行すべき区域」の実情との乖離がある。杉並区で行った事例研究では市街地整備の目標や道路整備の水準について乖離が確認された。杉並区では成田西3丁目町づくりの会の活動により、区画整理から地区計画への変更が検討され示唆を残しているが、実現には至っていない。今後は住民活動の普及を含めて、区域の実情にあった計画を策定する必要を提起している。