津波避難時には高台へと向かう道路に一斉に避難者が集まることで滞留が発生し、避難時間が遅延することが考えられる。この研究では津波避難時に滞留を許容する場合と道路容量を超えないように避難場所の割当を最適化した場合の平均避難時間を比較する。また、津波避難ビルを設置した場合に、避難場所の最適な割当を決定し、津波発生時の減災効果を計測する。まず、津波避難時の状況の仮定や道路容量制約をもつ割当モデルを決める。割当モデルを適用する、もしくは滞留を許容する場合の両方の平均避難時間を比較する。次に、津波避難ビルを設置する、もしくはしない場合についても、割当モデルを適用する場合と滞留を許容する場合両方の平均避難時間を比較し、減災効果を計測する。結果として、滞留を許容せず、道路容量を超えないように割当を最適化したほうが平均避難時間は短縮され、さらに津波避難ビルを設置することで大幅に平均避難時間を短縮できることがわかった。