抄録
本研究は、英国国営宝くじ基金の遺産基金によって運営されているランドスケープパートナーシッププログラムを対象として、その特徴と国土のエリアマネージメントに資する意味について検証した。その結果、1)ランドスケープをキー概念とした地域再生のための補助事業が制度化され、その効果が社会的に認知され、財政支援の規模が拡大中であること。2)事業推進の前提として、地域のランドスケープ特性に基づくエリアが設定されている必要と重要性。3)公と私のみならず、私と私のパートナーシップが重要であり、それらを推進する能力と人脈を備えたマネージャーの存在が必須であること。4)既定のランドスケープ特性エリアに基づくものの、具体のマネージメント方針はパートナー間の議論を通じて、明確な方針が決定され、それを議論すること自体がパートナーシップ醸成の重要なプロセスになっていること等を明らかにした。