都市計画論文集
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熊本地震の復興初期における益城町仮設住宅入居者の居住地選択意向
渡邉 萌佐藤 嘉洋円山 琢也
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2017 年 52 巻 3 号 p. 1094-1100

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抄録

本研究は,2016年4月の熊本地震で2度の震度7を記録した益城町仮設住宅入居者の居住地選択意向を分析し,災害公営住宅の必要戸数,必要とされる支援などへの基礎的知見を得ることを目的とする.2016年6月~11月に地元の大学生が中心となった益城町仮設住宅を訪問しての聞き取り調査を実施し,1196世帯の居住地の選択意向を収集した.60%が自宅再建を15%が災害公営住宅を15%がまだ分からないと回答している. 熊本市に近い地域と比べて集落部では自宅再建の意向が強いこと,単身後期高齢者世帯に,まだ分からないという意見が多いことなどを確認した.さらに対応分析や居住地選択モデルの推定から居住地選択意向を総合的に把握した.これらの情報は災害公営住宅の適切な供給や被災者支援に有益と考えられる.

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© 2017 公益社団法人 日本都市計画学会
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