抄録
近年、様々なCO2排出削減手法が地球温暖化に対する対策として提案されており、特に、都市部ではエネルギー需要密度の高さから、地域冷暖房(以下、DHC)が奨励されている。しかし、DHC事業は熱料金の高さから区域数や販売熱量が減少傾向にあり、普及には熱料金の低廉化が求められている。現制度では、最も費用の大きい熱源設備や熱導管埋設に係る初期設備費への補助の仕組みが見られるものの、都市開発に伴う熱導管埋設は、拡張時期の不明確さや、補助制度の存続及び事業採択の不透明さから熱料金の低減は決して容易ではない。そのため、DHC事業は、補助制度だけに頼らない官民連携のあり方が求められている。インフラ整備に事業費を顕在化させない方法として、鉄道事業等に用いられている上下分離方式が存在する。DHC事業では、熱導管への上下分離方式の導入に可能性があるものの、そのあり方は明らかではない。そこで、本研究は、DHC事業における熱料金の低廉化に向けた上下分離方式のあり方を明らかにすることを目的とする。本研究の成果が、低炭素型市街地形成のための一助となることが望まれる。