抄録
近年,わが国の宅配便業界の成長は著しいものの,宅配便取扱個数の増加に伴う配送車の走行距離の増加により様々な問題が発生している.そこで本研究では,配送車の走行距離削減のために有効とされる「時間帯指定配達の実施」,「宅配便集配拠点の導入」により配送車の走行距離にどのような影響があるか分析を行った.まず,時間帯指定配達の実施は基本的に配送車の走行距離を増加させるが,時間帯指定のない荷物については不在率が高く,かつ時間帯指定のある荷物は不在が発生しないと仮定したとき,配送車の走行距離は減少することが明らかになった.また,宅配便集配拠点の導入は,配送区画の中央に集配拠点が立地しているとき配送車の走行距離を削減させ,拠点利用率が高い程,配送区画の人口密度が低い程,実施効果が大きくなる.しかし,配送区画内の集配拠点数が増加する程,集配拠点の位置が配送区画の中心から離れる程,配送車の走行距離は長くなる.