抄録
本研究では,災害に伴って同時多発する面的障害の発生を想定した,新たなる交通ネットワークの頑健性評価モデルを提案する.交通ネットワーク内の経路同士の空間的な関係性に着目することによって,その交通ネットワークの形状特性が頑健性に与える影響を定量的に分析する.具体的には,障害を確率事象として扱い,その障害発生パターンがネットワークにもたらす影響を評価することを試みる.ネットワークトポロジーの考慮に留まらず,障害が影響を及ぼす範囲とその構成要素の空間的配置をも考慮することによって,1つの障害が複数リンクへ同時に影響を及ぼす可能性も考慮している点,に新規性を有する.本研究で得られる知見の一例を挙げる:(i) 放射環状型のネットワークについて,ネットワーク規模が相対的に小さくなるほど,ハブの役割を果たす頂点が頑健性により大きく影響する;(ii) 障害領域の大きさと街区の大きさの比率もまた,頑健性に大きく影響する.