抄録
本研究は、福島県の被災12市町村における医療の現状を明らかにし、今後の医療提供体制の再構築に向けた課題ついて考察するものである。本研究を通じて、(1)医療施設の地元再開率は1~2割前後にとどまっており、医療人材も大幅に減少していること、(2)住民の帰還が進んでいないことから患者数が激減していること、(3)多くの医療施設が採算性や医療人材不足に関する問題を抱えていること、(4)多くの医療機関が長期的な運営や医療従事者確保のための財政支援が必要だと考えていることなどが明らかになった。以上を踏まえて、将来の人口構造や地域構造を見据えながら、医療環境の再構築を進めていくことが重要であることを指摘している。