抄録
本研究では、線引きと非線引き都市計画区域が併存する都市の土地利用規制の手法を分析・比較し、今後の望ましい都市の方向性について提言することを目的とする。併存した都市の動向は(1)統一し区域区分、(2)併存したまま、(3)統一し区域区分しない、の3つに分けられ、これらに該当する(1)鶴岡市、松阪市、(2)前橋市、富山市、下関市を詳細対象都市として分析する。分析の結果、(1)の鶴岡市は法第七条2項、松阪市は施行規則第八条二号により市街化区域を指定した。(2)の前橋市と下関市は特定用途制限地域を指定し規制を強化している。一方、富山市は非線引き都市計画区域の用途地域外のほとんどが農用地区域に指定されていることから、開発圧力は低いとして土地利用規制を強化していない。