抄録
本研究は、全国の調整区域地区計画の傾向を明らかにし、策定経緯等や上位計画との整合性を把握し、今後の調整区域地区計画の在り方について提言することを目的としている。詳細対象都市では、上位計画の方針と整合性が図られた運用がされているが、調整区域地区計画による計画人口を人口フレームに考慮している都市はないことが明らかとなった。また、調整区域の性質を変えない調整区域地区計画を運用する上で一つの基準となる、運用基準では、開発を助長する内容を示している都市もある。更に、調整区域地区計画による開発地の市街化区域編入の検討や地区計画の制限をより強化する建築条例に対する考え方は、都市により異なることが明らかとなった。