2018 年 53 巻 3 号 p. 1087-1093
本研究は、都市計画区域廃止が懸念される町村の土地利用管理の現状と課題を把握している。本研究では以下のことが明らかになった。これまでに、都市計画区域廃止を検討している町村は南伊勢町のみであった。都市計画区域廃止が懸念される領域は、緩規制地域が多かった。若桜町と川本町では、都市計画区域廃止は県と町の双方が望んではいなかった。南伊勢町では、町は都市計画区域廃止を望んでいたが、県は都市計画区域廃止の前提として土地利用管理計画の策定を求めた。以上より、都市計画区域を指定する際の要件を見直すことや土地利用管理計画の策定を支援する制度の創設を提案した。