抄録
本研究はで、自己用限定型3411条例に着目し、許容する予定建築物用途を自己用住宅に限定しながらも、市街化調整区域で多くの開発許可がされた宇都宮市の自己用限定型3411条例を対象として以下のことを論じた。1) 宇都宮市は大幅に規制緩和されることを避けるため、自己用限定型3411条例を制定したが、事実上の分譲住宅地開発が多数許可されたことにより、市街化調整区域でスプロールが起きた。2) 自己用限定型3411条例により開発許可された住宅地の居住者は、市内の市街化区域から転居する居住者がほとんどを占めた。3)居住誘導を想定する領域からも既に多くが調整区域へ転居しており、それを受止めるだけの空家や未利用地が居住誘導区域内に多数ある中で、現在の自己用限定型3411条例を運用し続けることは不適切である。