都市計画論文集
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居住地から目的地までの距離が愛着と満足の関係性に与える影響に関する研究
小池 博太田 壮哉長谷川 直樹
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キーワード: 商店街, 愛着, 顧客満足, 距離, 行事
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2018 年 53 巻 3 号 p. 1138-1144

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抄録
既往研究において、中心市街地活性化を目的とし、商店街の利用度の低い住民等に対して商店街と関わる機会を提供するイベントのことを「非日常的行事」と定義し、福岡県飯塚市にキャンパスを有する3大学の学生へ飯塚市中心市街地商店街に対する意識(愛着,イメージ,満足度等)に関するアンケート調査を実施している。その結果を分析した結果、商店街への「関わり(大切だと思う/なにかしたいと思う)」を商店街側から促すような施策(「非日常的行事」)は商店街の満足度を下げることに繋がる可能性があることが判明した。本論文では、既往研究1)において課題として上げられていたその他の要因、特に、愛着の醸成に対して影響を持つと考えられる商店街からの居住地の距離が商店街に対する満足度に与える影響について分析を行った。その結果、(1)商店街への「選好」因子の満足度への正の影響度は、遠くに住む学生ほど大きくなる傾向、(2)商店街への「自分の居場所」因子の満足度への正の影響度は、近くに住む学生ほど大きくなる傾向、(3)商店街への「関わり」因子の満足度への負の影響度は、近くに住む学生ほど大きくなる傾向の3つの傾向が看取できた。
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© 2018 公益社団法人 日本都市計画学会
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