抄録
本研究は、地方の拠点となる都市を対象に、都市における移住・定住支援施策を評価し、人口・機能集約の拠点となる地方都市における今後の施策の在り方を示唆することを目的とする。なお、拠点となる地方都市として三大都市圏を除く全国の連携中枢都市を対象とし、各自治体へのアンケート及びヒアリングを通じた施策及び施策実施上の協力・連携関係の現状把握、移住者へのアンケート分析から、移住者の特性と効果的であった施策と各施策の相乗効果を明らかにする。自治体へのアンケート・ヒアリングから、移住までの支援施策は比較的行っている自治体が多いが、定住に向けた支援施策の実施率は低い点、特に「移住体験/交流会」や「移住相談会」を開催するにあたり民間団体との連携体制が重要である点が明らかとなった。また、移住者へのアンケート調査より、「移住体験/交流会」や「移住相談会」の支援施策の利用は定住意向への影響度が高く、また、「移住専用サイト」の利用が、これらの支援施策の利用につながることが明らかとなった。