抄録
本研究は、農村地域において住み替え意向を持つ高齢者の世帯特性及び住み替え意向率が高い地区の特徴を整理することを目的に、福島県会津坂下町で高齢者の住み替え意向調査を行った。その結果、61.4%の高齢者が住み替え意向を持っていると分かった。また、「自立生活が難しくなった世帯」「高齢単身・夫婦世帯」「息子世帯が同近居している世帯」「子世帯から日常的に生活サポートを受けている世帯」「農地を所有していない世帯」は住み替え意向を持つ傾向にあると整理された。更に、地区の形成過程や都市的地域までの距離といった地理的要因も住み替え意向率に影響していることが把握できた。そのため地区によって有効な支援方策は異なると考えられる。