2018 年 53 巻 3 号 p. 1161-1168
シェアビレッジプロジェクトは個人では維持が困難になった地域で思い入れがある古民家を、会員制民宿ネットワークとして活用し、多くの人々によって維持していこうという取組で現在秋田県五城目町と香川県三豊市仁尾町に開設されている。本プロジェクトによって古民家が開かれた地域や首都圏に在住する会員の関わり方にどのような変化があったのかを知るため、各地域で合計66名に対しインタビュー調査を行い、その回答からコミュニティの構成員を属性別に分け、グループ対グループのグラフ解析を行った結果、プロジェクト開始前後の人々の関わり方について、地域と首都圏の会員の繋がり以外にも、コミュニティの各グループが関わる新たな結びつきが見られた。このプロジェクトの展開により、首都圏コミュニティが地域コミュニティと繋がりやすくなっただけでなく、地域コミュニティ間でも繋がりの変化を生んだ。