本研究では、世田谷らしい空き家等地域貢献活用モデル事業を事例として、地域貢献活動とのマッチングによる空き家の活用推進について、その実態と課題を明らかにした。このモデル事業は、空き家の所有者と地域貢献活動の団体とのマッチングを促し、空き家の改修を含む活動の場づくりに資金を提供している。モデル事業の実態と課題は、地域貢献活動団体や空き家オーナーへのインタビューと現地踏査によって調査された。その結果、マッチングが成功し、地域貢献活動が進むためには、オーナーの地域貢献活動団体に対する理解が重要であること、活動の場を整備するための助成金が有効であることがわかった。課題として、地域貢献活動団体には、ビジネス継続のためのサポートや地域コミュニティへのつなぎ役が必要であることが挙げられた。