都市計画論文集
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駐車場の再配置による重要伝統的建造物群保存地区の歩行環境の改善に関する研究
佐原の町並みを事例として
種崎 夏帆中村 文彦田中 伸治有吉 亮三浦 詩乃
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2018 年 53 巻 3 号 p. 1413-1419

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抄録

近年,「重要伝統的建造物群保存地区」(以下重伝建地区)の選定が活発化している.重伝建地区は観光地として注目されていると同時に,郊外住宅地としての側面も持っている.よって当該地区では,住民生活を保ちながら,地区を回遊する歩行者が歩きやすいまちが理想である.一方,地方都市において空き地や空き家が無秩序に駐車場へ転用されるケースが問題視されており,重伝建地区も例外ではない.そこで本研究では,香取市佐原を対象地とし,仮想的な駐車場再配置が歩行者の歩きやすさにどう影響するか,また,どのような場所への再配置が効果的なのかを明らかにすることを目的とする. 本研究では,「歩きやすさ」を(1)歩行者と車の動線の交錯,(2)時空間暴露量の2つの観点から評価した.仮想的な駐車場再配置の結果,歩行者と車の動線交錯では全案にて改善傾向がみられた.しかしながら時空間暴露量では,設定した4案の中で,地区の外側かつ歩行者の少ない細街路内に再配置する案のみにて改善傾向が見られた.これらのことから,動線だけでなく地区全体のネットワークや交通量を考慮することで,適切な駐車場再配置案が得られることが明らかになった.

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© 2018 公益社団法人 日本都市計画学会
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