抄録
本研究は,福島県いわき市を対象として原発事故の発生による都市計画等への影響を明らかにすることを目的とするものである。20,000人を超える原発事故による避難者を受け入れていると言われているなか,人口・世帯数の変化について字単位でみると,仮設住宅や災害・復興公営住宅が建設された地域に加えて,住宅団地や既成市街地において著しく増加している地域をみることができる。その実態は,人口と世帯数が同程度に増加していたり,男性人口を中心に増加していたり,世帯数以上に人口が男性,女性ともに増加しているなど,地域特性により変化の特徴が異なるのをみることができる。同じく土地利用の変化についてみると,中心市街地では低未利用地が増加する一方,郊外の住宅地が拡大したり,集合住宅を中心とする形や空地から戸建住宅への変化により住宅が増加したり,都市計画区域外には建設作業員用の宿舎が形成されるなど,やはり地域特性により実態が異なることがわかった。敷地単位にみる土地利用の変化パターンも,地域特性や用途地域により異なることより,人口と住宅の増加に対して後追い的でない都市施設や交通施設の整備が検討されなくてはならない。