都市計画論文集
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大阪市西区における都心回帰に伴うマンションの集合住宅としての特徴と分布状況の変化に関する研究
蕭 閎偉岩﨑 暖
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 55 巻 1 号 p. 19-29

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抄録

本稿は都心回帰に伴う人口増加が著しい大阪市都心6区の中の西区に着目して、489件のマンション物件データから、西区の現状におけるマンションの集合住宅としての特徴を解明した。更に、都心回帰前後でのマンション物件の特徴の変化を10年単位で分析した。最後に、西区での周辺駅へのアクセスに着目した時に読み取れるマンション物件の分布状況および都心回帰前後の変化を解明した。その結果、分布状況から見たときに西区の「中心エリア」や「西側エリア」では大規模の物件が殆どなく、一方で「水辺エリア」では木津川の東側沿岸、道頓堀川、土佐堀川沿岸などに大規模・メガマンションの供給が多くみられる。以上の分析から、都心回帰に伴うマンション物件の供給の多様化や、水辺エリアのマンション建設の集中傾向が解明された。一方、西区内の地域間での交通網の格差などもみられるため、こうした集中傾向との因果関係を慎重に解明することが今後の課題である。

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