本研究は、都市計画家及び都市計画教育の本格的な国際比較研究の準備的調査として、ドイツに注目する。ドイツ建築家協会(Federal Chamber of German Architects)や各大学のデータを用いた現況分析と文献調査を行った結果は以下にまとめられる。ドイツでは都市計画家・都市計画教育とも、伝統的分野である建築家(学)とは異なり、独立した存在としてはわが国と類似し、いまだ少数派で発展途上段階にある。学際性と専門性のバランスなどの共通点や資格制度等の相違点を明確化した上でのドイツの都市計画家及び都市計画教育の全体像と個別事例に関わる動向把握は、わが国にも示唆が多いと思われ、今後も継続的な調査が期待される。