都市計画論文集
Online ISSN : 2185-0593
Print ISSN : 0916-0647
ISSN-L : 0916-0647
警備ゲームモデルに基づいた空間的警備戦略と犯罪抑制効果に関する数理的研究
鈴木 勉
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2020 年 55 巻 1 号 p. 79-84

詳細
抄録

本研究は,犯罪企図者と警備員による警備ゲーム問題を連続モデルとして分布をパラメトリックに表現することによって,両者の関係や警備戦略の分岐点を理論的に明らかにすることを目的とする.まず,被害抑制のための警備員の最適な資源配分の基本的性質を明らかにすることにより,警備の存在が犯罪の空間分布の多様性をもたらす可能性があることを示す.次に,犯罪分布の違いや警備員・犯罪者の人数を考慮した分析を行い,被害量をできる限り減らす観点から警備戦略の評価を行うことによって,適切な警備計画策定のための基本的知見を得る.そして,被害に遭う潜在的な可能性を持つターゲットの分布をコントロールすることが可能な場合に,被害を抑制するターゲットの分布の特徴を明らかにする.

著者関連情報
© 日本都市計画学会
前の記事
feedback
Top