近年、情報通信技術の発達やCOVID-19の流行といった事象を背景に、人々の生活行動は大きく変化していることが予想される。本研究では、人々の生活行動の経年的変容を「活動場所」や「情報通信機器の利用」の視点から明らかにした。分析の結果、以下のことが明らかとなった。1)「教養・趣味・娯楽」の自宅での活動時間は大きく増加し、「交際」のまちなか等での活動時間は減少した。2)生活行動パターンをクラスター分析で類型化すると、業務系クラスターにおいても私事系クラスターにおいてもサイバー空間を積極的に利用するクラスターが現れ、これらのクラスターは特に男性で経年的に増加してきた。3)大都市圏ほど、日常生活におけるサイバー空間の利用が進んでいる傾向にあり、高所得世帯では業務での利用が顕著に増加していた。