日本土木史研究発表会論文集
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江戸水道の基礎的研究その2
大名屋敷における給水形態
神吉 和夫
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キーワード: 江戸, 水道, 大名屋敷, 掘抜井戸
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1989 年 9 巻 p. 147-153

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抄録

本稿は、大名屋敷内における江戸水道の給水形態を水道配管の記された大名屋敷絵図等から考察したものである。彦根藩上屋敷、岡山藩本屋敷・向屋敷・築地屋敷および長州藩上屋敷を取り上げた。彦根藩上屋敷では裏門から入った樋管が、諸殿舎、御奥御殿泉水、添地泉水、屋敷周りの家臣の長屋に配水されている。合計40ヶ所ほどの上水溜桝があり、家臣の長屋では屋外の共同井戸として、殿舎では台所関係・女性の居室に設けられている。また、内玉門繋樋筋絵図には樋管・桝等の寸法が記されている。場所により寸法を変え、水工条件を考慮した配管がなされている。岡山藩江戸屋敷の水道配管を彦根藩上屋敷と較ベると、岡山藩の方が単純で溜桝数も少ない。長州藩上屋敷では上水導水以前は掘井戸が使用されていた。また、水道と屋敷内の掘抜井戸を水源とする呼井戸給水系が併設されていた時期があった。

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