土木史研究
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土岐川における決しゃ板ダムとその歴史
茂吉 雅典久保田 稔田鶴浦 昭典中村 義秋
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2001 年 21 巻 p. 325-331

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抄録
加藤喜平と弟乙三郎は1902 (明治35) 年に多治見電灯所を設立した。最初の事業として、土岐川発電所を1906 (明治39) 年10月に完成させ、以来100年近く出力260 [kW] を発電してきた。
発電用水は土岐川ダムより取水し、発電所まで山際を暗渠等の水路で運んでいる。発電所は圧力導管を用いず水槽の底部にフランシス水車を取り付けたシンプルな構造である。ダムは “決しゃ板” を用いた木造構造であり、洪水時にはこれを切り離す。土岐川ダムは木製のダムとして、希少な存在である。電力供給の歴史的にも貴重な役割を果たしてきた土岐川ダムは、国土交通省が進める河川改修工事のため、本年 (2001年3月8日) 95年の歴史を閉じた。
本論文は2001年3月8日に閉所式を迎えた土岐川発電所の建設経過とその構造・若干の電気産業史と人物加藤喜平・乙三郎兄弟について報告する。
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© 社団法人 土木学会
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