抄録
本研究は治水・利水に関連する遺構の発掘情報を報ずる新聞記事を基に、古代から近代までの治水・利水技術の変遷を明らかにすることを試みたものである。近世以前の土木技術を知るには、文献史料のみでは情報と史料自身の少なさから限界があることは自明であろう。それを補うものとして発掘遺構があり、その事例収集は、技術の変遷を明らかにする上で具体的な情報を与えてくれるものといえる。近年、考古学会においても治水・利水遺構が注目されるようになり、その技術的変遷の体系化が課題となってきた。本研究はその基礎的研究になることを目的としている。