1997 年 14 巻 p. 133-139
計画案策定プロセスに関しての既存の研究では、公共デザイン代替案のように、評価をする個人が各計画案に対して利害を明確に認識しにくいような問題は扱われていない。本研究では、計画案への評価が不確定なために、他人の評価に追従しやすい複数個人からなる集団での多数決による意思決定過程をモデル化して分析した。その結果、追従性向係数が大きい場合には計画代替案の支持者数分布は不安定になり、集団意思決定としての意見の収束が難しくなることが確かめられた。また、最終採択される代替案は、各代替案が持つ潜在的な効用が最も高い代替案であるとは限らないことも確かめられた。